認知症の症状

中核症状がもたらす障害

「中核症状」とは認知症の主症状で認知機能障害のことを指し、記憶障害や判断力の低下を起こします。

記憶障害

認知症の人の記憶障害には特徴が3つあります。

記銘力の低下

話したり、聞いたり、行ったりしたこと、つまり体験したことをすぐに思い出す力を「記銘力きめいりょく」と言います。

認知症が始まると、まず低下するのがこの「記銘力」です。記銘力が低下するとひどい物忘れが起こります。そして同じことを繰り返し行ってしまいます。

全体記憶の障害

「出来事そのものをごっそりと忘れてしまう」ことを言います。

記憶の逆行性喪失

「記憶の逆行性喪失」とは今まで積み重ねてきた記憶が、現在から過去に遡って失われていく現象のことを言います。「その人にとっての現在」は最後に残った記憶の時点になります。

記憶障害以外の症状

見当識障害

時間と場所と人物に関わる見当識があります。

• 時間・・・年、季節、月、日、曜日、時間に関わる事
• 場所・・・自分がいる場所がどこであるのかがわかる事
• 人物・・・自分の周りの人が自分にとって、どういう人であるかがわかること。

失語・言語障害の特徴

「失語」とは会話の中で単語が出てこなくなり会話に支障をきたす場合と、周囲から言われた言葉の意味が理解できなくなる場合があります。

失行の特徴

「失行」とは運動機能や骨、関節、筋肉、神経系に問題はないけど、動作がうまく行えないことを言います。道具の使い方や、適切な手順で目的を達成する動作が困難になります。

失認の特徴

「失認」とは視力や視野、視神経などに問題がないけど目で見ているものを理解できなくなったり、把握することができなくなることを言います。

実行機能障害の特徴

実行機能障害とは、自分で計画を立て、段取りに従って物事を進めることが困難になることを言います。